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股関節の治療・手術


人工股関節全置換術

股関節は人体最大の荷重関節であり、歩行する際の左右の要となる重要な関節です。そこが障害されると、痛みによる歩行困難や股関節の動く範囲が狭まることによる日常生活上の不便(靴下がはけない、足の爪がきれないなど)が多くなり、お困りの方は多く存在します。例えば、こ高齢の方が尻もちをついてよく骨折を起こすのも股関節(大腿骨頚部骨折、大腿骨転子部骨折)ですが、適切な治療をしないと寝たきりや車椅子の状態になってしまいます。他にも、生まれつきの股関節の形成不全が原因となり股関節の軟骨が消失し、関節の変形が進む変形性股関節症や、ステロイド大量投与の影響やアルコールの大量摂取等が原因で発生する大腿骨頭壊死や、加齢により背骨が曲がってしまい、それに応じて骨盤が後ろに倒れることなどが原因で急速に股関節の破壊が生じていく急速破壊型股関節症など、病期が進行すれば関節の破壊による痛みや可動範囲の制限、脚の長さが短くなるなどの障害により、どんどん日常生活が不便になります。

その状態を劇的に改善することができる唯一にして最良の治療法が人工股関節全置換術(①②)です。その手術には様々なアプローチや術式がありますが、私が行っているのは仰向けの状態で行う最小侵襲手術(Anterolateral supine MIS)で、股関節の安定性や機能に関わる重要な筋肉、腱等をほぼ完全に温存しつつ人工関節を適切に設置します。それにより、早期の機能回復に加えて脱臼の危険性をほとんどないレベルに抑制できますので、術後に生活動作の制限はほぼなく、スポーツも格闘技やそれに準ずるハードなものを除き大抵のものは許可しています。また、両側の股関節が障害を受けている患者さんの場合には両側同日の手術(③④)も行っております。

①大腿骨頭壊死の悪化により変形が進行した右股関節
右下肢は3cm程度短くなっており、歩行困難な状態

②右人工股関節全置換術後
脚長差も補正された

患者さんからよく受ける質問として、 人工股関節の寿命、 耐用性の問題があります。 骨に直接埋め込まれるチタン合金性の本体が問題を起こすことはあまりなく、 実際に動く関節として使用されている受け皿とボールに磨耗や破損等の問題が生じることがほとんどです。 現在、私が関節面として使用しているポリエチレンやセラミックはほとんど磨耗の問題が起こらず、20年から30年の耐用性が期待できます。 そして適切な時期に適切な再置換術を行えるのなら50代、 40代ないしそれ以下の若い患者さんに対しても人工股関節の適応となる場合があります。
上記と関連しますが、過去に受けた股関節の手術後の障害(骨接合術後の問題、人工股関節のゆるみ、破損、周囲の骨折(⑤⑥)、 反復脱臼など) に対する再置換術も可能な限り対応しております。

③両側変形性股関節症
左の方が病期が進行しているが右も痛みが強く、左だけ手術を行なっても右の痛みのためにリハビテーションが進まない可能性が高く、そこで負担がかかることで右の病期も一気に進行する可能性が高い状態

④両側同日人工股関節全置換術を施行
翌日から車椅子に乗りトイレ等へ移動可
術後2日から痛みに応じての歩行訓練も開始できる

⑤右人工骨頭術後20年ほどで、すでにゆるみがある状態で転倒し人工骨頭周囲骨折を受傷

⑥骨盤側、大腿骨側共に再置換術に加え大腿骨骨折に対する骨接合術も併用
術後1週間で松葉杖歩行も可能となった